さて、波照間の続きだが
ここは有人島、日本最南端に位置する
住所は石垣市竹富町になる
石垣からは高速艇で70分かかる
西表島までは内海であり波のうねりはないが、波照間の海は外洋になるので、しけたら、船酔いに弱い人はヘロヘロになるだろう
飛行場はあるものの、今は閉鎖されているので船以外の交通手段はない
上陸した後、運悪く海が荒れたら一週間足止めをくうこともあるので要注意だ
波照間の名物は波照間ブルーの海だけではない
後二つある
一つは星空
もう一つは
幻の泡盛の「泡波」だ
これだけよく星があるものだと思うほど、満天の星空が見えるのが波照間だ
南の空の水平線には南十字星(サザンクロス)も見ることが出来る
都会では天の川が見えることはないが、ここでは普通に確認できる
今回は宿のオヤジが真っ暗な日本最南端の碑まで車で連れていってくれた
寝転がって、星空を眺め続ける
一緒に行った女子軍団の誰かが、ロマンチックな雰囲気のなか、屁をこいて、大爆笑だった
女子たちは実ににぎやかだ
星空を求めて本土から訪れる女子は年々増加の一途をたどっているという
さて、「泡波」事情だが、何とこの島の島民でさへ、手に入らないほど品薄だ
それでも普通に買えるのは100CC瓶だ
二号瓶、三号瓶はなかなか手に入らないという
ただ石垣や本土と違うのは、居酒屋には普通においてあり、安い値段で呑めるところが違う
そこが波照間の魅力だ
帰り際に、港でぼーっとしていたら、奇遇にも東京の某塗装会社の社長とで会い
「泡波なら手に入る、まかしときな」と言い、しばらくしたらバイクで配達してくれた
2合瓶で500円だった
全国の泡波ファンから嫉妬を買うことだろう
やはり僕はついている
いつも行く居酒屋「ぶどぅまれ」の二階のテラスで、昼食としてクースーを馬鹿ほど入れて辛くした八重山そばを食べ、そしてカラカラに入って出て来た泡波1合を呑んだが
その時の何とも形容しがたい南風が、僕の頬を優しくなでて、吹き抜けていくそよ風と島唄の三線の音色響きが、心底癒してくれた
あのような、まったりとした時間は本土では味わえない
そして、その瞬間のえも知れぬ小恍惚感の体験が、また僕を南の島へ誘うのだろう
その時、僕が高校生の時に流行ったトランザムのbestヒットナンバーの
サン・オブ・ジャマイカ
の歌詞と音色を突如思い出した
そしてその歌のレコードが、十数年ぶりに僕の頭の中で回り始めたのだった
♪トントコトントトントント♪トントコトント・トントントン♪
「昔僕がまだ少年の頃、憧れのスター、マーロン・ブランドの戦艦バウンティンという映画を見た
そして素晴らしい冒険心に心を躍らせた・・・
時が立ち、今僕の夢の中に、青い海、白い砂、美しい蝶、情熱的な瞳の女性が現れ、
僕の遥か南の島に誘う・・・・・・」
♪サン・オブ・ジャマイカ~愛しのマライカ♪~
♪忘れえぬ~スウィートメモリー♪~
この歌をこよなく愛していたが、本当にこの歌詞のとおりの未来があったとは・・・・・不思議なものだ
また、友人と女房殿を連れて秋に再上陸しようと誓って島を後にした