塾長ブログ

2016/09/13

銀行貸し出し平均金利1%割れの悲惨

読売新聞によると、7月の九州・沖縄地銀の平均貸出金利が1%を割り、0.977%になったというではないか。

一大事だな。

日銀のマイナス金利の影響で市場金利はナイアガラの滝の如く下落するとともに、銀行間競争により、とうとう1%を割る始末。

これは決していいことではない。それは銀行収益の悪化を意味するからだ。

マイナス金利導入以前だと、まぁ企業貸し出し金利は2.3%くらいが普通。2%代で貸付をしていたはずだ。

それが1%を割ってしまうということは、いったいどういうことかというと、もうほとんど預金者に対して金利を支払うことは不能ということでもある。


預金者から金を集め、預金者に金利を支払い、それ以上の金利で貸付、間の利ザヤで稼ぐのが銀行業だ。まるjまる儲けても1%しか収益がなくて銀行屋も儲かるわけがない。

銀行の収益悪化による弱体化は決して、日本経済にとって歓迎できるものではない。本格的景気回復には銀行株価の上昇が鍵であるからだ。

株の上昇は投資家が、投資先の企業の未来の展望が明るく収益が上昇基調と判断されて、投資が盛んになれば株価は上がるが、今の銀行株を買う人はもの好きな人だろう。未来が暗い銀行株は低迷するしかない。

安倍首相・黒田総裁のコンビによる金融緩和一本ともいっていい


経済政策は完璧に失敗した。


彼等の誤りは、デフレを


貨幣現象


と捉えたところにある。



通貨の供給量が足りないから「デフレ」という現象が発生していると見て、通貨量を異次元的緩和により増大したのだが、あにはからんや、デフレを修正するどころか2%のインフレターゲットはここにいたっては夢のまた夢。ほとんど効果はなかった。

デフレは貨幣現象ではなく、総需要の不足から起きるものであり、逆にインフレは供給能力に対して需要が上回ったときに初めて起きるのである。

そして需要の増大というものは、モノやサービスの購入が盛んになる事を意味するもので、別の言い方をすると、国民や企業の消費・投資が活発化する時以外、インフレ化することはないということ。簡単にいうと、需要より供給が上回ればインフレ、下回ればデフレだ。つまり、モノやサービスの価格を上げるには、一般消費を高めること、それ以外ない。これは経済の法則だ。

よって金融政策として、バカの一つ覚えで日銀券を80兆円印刷し、追加緩和として40兆円印刷しても物価は上がらないというわけだ。

いや、一時アベノミクスも調子が良かったではないかと反論する人にいう。それは増税前ではなかったですか?と。

ではどうしたらいいかというと簡単だ。一般消費者や企業がモノやサービスを買いたくなるようにしてあげることに尽きる。

消費活動を抑制しているのは、ただただ消費増税含む、安倍内閣の増税路線に原因がある。

消費税を3%上げるということは、モノやサービスの価格か゛一様に3%上がる事を意味する。しかし所得も3%上がれば可処分所得は同じことだが、そうはなっていない。つまり家計で実質的に使える所得は減少してしまっている。企業はモノやサービスが売れないので、賃金を上げる源泉がないのだ。

かくて、モノやサービスの価格は上がるが、所得が上がらないのでモノやサービスを買わなくなる、買えなくなる、というわけだ。

そもそも源泉がないのに賃上げ要求をする安倍内閣はアホだ。ついでに述べると「同一業界同一賃金」を指導するのもおかしい。人には能力の違いがあるのでそうならないし、企業ごと収益事情も異なるのでそれを一緒にすることは無理だ。自由主義経済で動いている一般企業の賃金を、国家が管理し、コントロールしようと発想そのものが国家社会主義のやり方だ。





いろいろ書いたが消費増税が日本経済のガンであるということだ。


財政出動と金融緩和というベクトルと逆の増税による財政均衡という大矛盾を同時に行い、経済が立ちいかなくなったのがアベノミクスの失敗の理由だ。

よって、今後いくら日銀券を印刷しても、マイナス金利政策を続けても日本経済復活は遠い。

黒田総裁はマイナス金利を0.2%に拡大する事をほのめかしているが、まぁ断末魔の叫びだ。失敗を認めたくないのでなりふり構わず禁じ手を繰り出すが、彼らの思惑通理に市場は反応してくれない。

一般消費を高める政策である減税を施行する以外、出口はないのである。

いろいろな識者の話を聞いて、それをミックスした安倍首相の政治能力のなさに今の混迷はある。

経済を理解できない政治家、また内閣というのは悲しい限りである。


黒田総裁も、菅も谷垣も二階も麻生も、自民党幹部はこぞって消費増税推進派であったことを忘れてはならない。


今回はミニ男塾でした。