渡り拍子で有名な鋤先八幡神社の村祭りに、女房殿、長女、孫を連れて田舎に帰った
田舎といって馬鹿にしてはいけない
この祭りは「岡山県重要無形文化財」に指定されている800年の歴史をもつ由緒ある祭りなのだ
ところで、田舎の家には、テレビもねー、新聞もねー、湯が出ねー、また村には、食堂もねー、電気屋もねー、もちろんファーストフード店もねー
何にもねー、吉幾三の唄の世界だ
いるのは年寄だけだ
ほとんどの年寄りが80歳を超えているので村がいつしか消滅してしまうかもしれない
小学生は学年併せて10人未満だという
この日は低気圧が襲来し、寒いので家にある旧式の灯油缶をかついで、灯油を買いに村のガソリンスタンドに行ったが、腰の曲がったバーさんが出てきた時嫌な予感がした
案の定、5㍑入れて、支払いを終えて帰るまで15分も要したが、決してイライラしてはいけない
こんなものだ、レジも壊れてレシートも出ないが気にしてはいけない
ここでは時間がゆっくりと流れている
今でも昔の名称の名残りで「灯油缶」とい呼ぶが、本当は灯油ポリであり、これが本来の
灯油「缶」なのだ
そう、ドラム缶をミニマムにした円柱形状であり、若い連中は見たこともないことだろうに
さてさて、夜は、鍋をしたが、半世紀は仕様していると思われる、年季の入った、ボコボコ藤巻アルミ酒燗器で沸かしたら日本酒が一層うまい
昔はこれをヤカンに入れて、そのまんまコップに注いでコップ酒で飲んでいたものだ・・・・・
今年は観光バス二台、そして東南アジア系の外国人多数、更には、OHKテレビ局まで取材に来て、一層とにぎわった祭りとなった
クライマックスは、村の山の上に位置する八幡神社に踊り子が終結し、五穀豊穣を感謝し、一同総出で踊りを奉納するのだが
その前に、一行はそれぞれ村々を踊り歩くのが習わしだ
そして、「コンコンチキチーコンチキチー♪・・・」の一定のリズムの拍子木と鉦を打ち鳴らしながら、踊り子達がやって来て、我が家の前で踊るのが昔からの恒例だ
踊ってもらった家々は、踊りが終われば、そこで、酒の肴、日本酒をふるまう
一杯ひっかけながら、一同は村をまわりながら、いい気分となるのである
牧歌的でいいだろう
これが失われた日本の原風景というものだ
一行には天狗、子天狗、獅子舞もセットで登場する
獅子舞は、子供や幼児を見つけては頭を噛む
獅子舞に噛んでもらったら、健康で頭が良い子になると言い伝えられている
孫達は全員、獅子舞に頭を噛んでもらったので、頭がよくなるはずだ
恐ろしい獅子舞に頭を噛まれて、子供たちが泣きじゃくるのが風物詩でもある
さて、天狗様はというと、僕のハーレーに見とれて、「乗ってもいいか」というので、「どうぞ!どうぞ!」と答えたら、嬉しそうに
天狗がハーレー
にまたがる前代未聞のミスマッチの写真一枚を撮れた
これは縁起がいい、事故をしないことだろう
夕方の地方番組には、家族もばっちりアップで出て、お後もよろしいようで・・・・・
また来年も来ようっと・・・・