塾長ブログ

2017/03/25

スイス


スイスのイメージとは、どのようなものかというと・・・・

「アルプス、衛生中立国、時計、銀行、チーズ、傭兵、徴兵制、核シェルター、物価高・・・」まあ、こんなところか

テニス好きなら、フェデラー、ワウリンカと続くかもしれない

そんなスイスのイメージを変える本と出合った

著者は川口マーンだ

「住んでみたドイツ8勝2敗で日本の勝ち」「住んでみたヨーロッパ9勝1敗で日本の勝ち」

等を書き表した在欧の人だ


まあ、日本万歳論が大好きなので、彼女の著書はよく読んでいる

で、著者名で迷わず選んで先日買ったのがこの本だ

題名は「世界一豊かなスイスそっくりな国」だ


ヨーロッパ人が日本のことをほとんど知らないように

我々も、リトアニア、ノルゥェー、ルクセンプルグ、ブルガリアなどの国々の歴史を知らない

もし知っていても象徴的なことだけだろう

それぞれの国には独自の歴史があり、それを切り離して考えることは出来ない

スイスというフランス、ドイツ、イタリアというヨーロッパの強国に挟まれた小国が

どうして、かくも独立を守れているのか、そしてそして国民一人あたりのGDPがトップであり、大国を軽くしのいでいるのか

また、どうしてスイスは豊かであるのか

そして、スイスと日本に妙な同一性があるのは何故なのか


この本を読めば分かる

国民性と一言でいうが、国民性がその国をつくり、その国の歴史をつくり、その国の未来を築いていく

国民性は確実にあり、それを変えることなど出来ない

スイス人と日本人は、実直で真面目、約束を守る、国家目標があれば国民全員が団結をして突き進む


しかして、この国は恐ろしく残酷で排他的、差別的な歴史を背負っている、それは読めば分かる


アルプスのあの牧歌的な美しい景観は、補助金で成り立っているスイス農業政策が、観光政策に転嫁して出来ている人工的な風景だと知ったなら、スイス観光のおりに見る視点が違ってくることだろう

10年以上前にユングラヨッホやチューリッヒに旅行に行ったことがあるが、また行きたいものだ

教養の一書としてお勧めだ

あのユングラヨッホの海抜3700mの頂上で見た、不思議な濃厚な青色が広がる空の色を今でも忘れない