スイスのイメージとは、どのようなものかというと・・・・
「アルプス、衛生中立国、時計、銀行、チーズ、傭兵、徴兵制、核シェルター、物価高・・・」まあ、こんなところか
テニス好きなら、フェデラー、ワウリンカと続くかもしれない
そんなスイスのイメージを変える本と出合った
著者は川口マーンだ
「住んでみたドイツ8勝2敗で日本の勝ち」「住んでみたヨーロッパ9勝1敗で日本の勝ち」
等を書き表した在欧の人だ
まあ、日本万歳論が大好きなので、彼女の著書はよく読んでいる
で、著者名で迷わず選んで先日買ったのがこの本だ
題名は「世界一豊かなスイスそっくりな国」だ
ヨーロッパ人が日本のことをほとんど知らないように
我々も、リトアニア、ノルゥェー、ルクセンプルグ、ブルガリアなどの国々の歴史を知らない
もし知っていても象徴的なことだけだろう
それぞれの国には独自の歴史があり、それを切り離して考えることは出来ない
スイスというフランス、ドイツ、イタリアというヨーロッパの強国に挟まれた小国が
どうして、かくも独立を守れているのか、そしてそして国民一人あたりのGDPがトップであり、大国を軽くしのいでいるのか
また、どうしてスイスは豊かであるのか
そして、スイスと日本に妙な同一性があるのは何故なのか
この本を読めば分かる
国民性と一言でいうが、国民性がその国をつくり、その国の歴史をつくり、その国の未来を築いていく
国民性は確実にあり、それを変えることなど出来ない
スイス人と日本人は、実直で真面目、約束を守る、国家目標があれば国民全員が団結をして突き進む
しかして、この国は恐ろしく残酷で排他的、差別的な歴史を背負っている、それは読めば分かる
アルプスのあの牧歌的な美しい景観は、補助金で成り立っているスイス農業政策が、観光政策に転嫁して出来ている人工的な風景だと知ったなら、スイス観光のおりに見る視点が違ってくることだろう
10年以上前にユングラヨッホやチューリッヒに旅行に行ったことがあるが、また行きたいものだ
教養の一書としてお勧めだ
あのユングラヨッホの海抜3700mの頂上で見た、不思議な濃厚な青色が広がる空の色を今でも忘れない