塾長ブログ

2017/08/12

男塾号外・北朝鮮問題

男塾お盆・号外


北朝鮮問題はものすごいスピードで動いている。新聞TVのマスコミ報道で連日見聞しているだろうから、誰がどう言ったということはそちらにお任せして、報道機関などに踊らされないための独自の目を養うための話をしよう。


ツケが溜まった北朝鮮問題
男塾が本業化する以前より、一貫して北朝鮮ミサイル問題の危険性を指摘して来た。

無策のままに時は経過し、とうとう大陸間弾道ミサイルは完成し、核の小型化にも成功している事態となってしまった。

世界の危険度はシフトアップした。

核と弾道ミサイルという、一瞬で外国を焦土化し、大量の人命を奪える近代兵器を所有したら、あの最貧国が覇権国の米国に対しても恫喝出来るようになる。

米国を恫喝出来るなら、日本などいくらでも恫喝出来る。

世界はそのシーンを見ている。



タカ派的発言を本能的に叩くマスメディア
トランプを批判する米国左翼マスコミ勢力は、何処かの国同様、反戦平和を訴えており、トランプの金正恩と変わらない恫喝に対して、相変らず批判を重ねている。

がしかし、トランプは、1994年以来の米国大統領が何もせず放置した結果の危機的事態到来に対して、一人立ち向かっているのであり、北朝鮮クライシスはトランプが引き起こしてしまった事態ではない。

民主党の地球温暖化というイカサマ書籍で名をはせたゴア元副大統領など、辛辣な批判をしているが、彼等が何もしなかったことにより、とうとうここまでの危機をつくり出したのではないのか。



分かりにくい無不作為の罪
何もしないことは罪として認定しにくい面があるが、対話という耳障りのよい言葉でカモフラージュし、何もしないことが本当は一番大きな罪なのだ。

不作為の罪というのは近代法では裁かれないので、批判の矢が飛んでくることがない。だからその悪は世間の批判が集まらないだけに、よく育ち大きくなる。

そして気が付いた時には、取り返しがつかないことになってしまっている。



倒錯する正義
グアム島は米国領土であり、16万3000人の米国人が住み、グアム島の1/4の面積を米軍が占め、6000人の軍隊が駐屯する重要軍事拠点である。その領土の20キロ~30キロ先の領海内に4発のミサイルを包囲射撃すると、外国政府に恫喝されて今のような反応しないほいが覇権国の大統領としては不適格な人だ。

オバマだったら何もしなかっただろう。

現実的ではない核廃絶を訴える反戦平和主義者の大統領の登場が、本当は一番の恐怖をつくりだす可能性があるのだが、報道姿勢のスタンスの違いにより、悪人にもなり、善人にもなってしまうという奇妙な世の中だ。

トランプがクレイジーで、オバマが常識人というなら、オウムの麻原に正義があり、逮捕した警察側に非がある、との見方と変わらない。

それほど、何が正義なのかということが、分からない人が多い。

ただし、一つだけ言えることがある。

さも正義があるように報道する、裁きの玉座にいる報道機関にこそ正義など見えていない。彼等の逆に正義があると思っていたら間違いない。

「トランプ大統領など誕生するはずがない」という報道は、ものの見事に間違っていた。そして、チキンレースをしていても、「米朝戦争など起きるはずがない」、という見方も崩れる時が来ようとしている。


「上り坂」「下り坂」そして「〇〇〇」
坂には「上り坂」と「下り坂」しかないと思っている人が多いようだが、「真坂(まさか)」という坂もある。

「まさか日本国土にミサイルを撃って来やしない」「まさか米朝韓のあいだで熾烈な戦闘行為が起きることはない」「まさか中國が参戦することなどない」「まさか日本が中國の属国になることはない」「仮に戦争になってもまさか核を使用することはない」「まさか第三次世界大戦は起きるはずがない」


これなどは、単なる希望的観測にしか過ぎず、戦争が起きる理由は無限にあるし、核が使用される可能性もある。戦後72年が経過し、北朝鮮や中國のような全体主義国の軍事力が高まることにより、民主主義を標榜する覇権国と激突する可能性が今ほど高まった時はない。

そして、中國の夢を実現させるために、着々と布石を打つ続けている。南シナ海も東シナ海もきな臭い。人類はそれほど理性的ではない。過ちを犯し続けて来た歴史だし、現在只今も過ちを犯し続けているし、今後も過ちはなくならない。

反戦平和主義は結構。しかし、こちら側が望まなくとも、戦争をしたい相手がいれば戦争は起きるものである。

だから、世界中の国々は自国を防衛するために時間とお金を費やしている。それを怠れば国家消滅もありうるからだ。

今、人々は忘れていた「真坂」という坂があったことを、思い出す時を迎えようとしている。


米国世論は明らかに変わり始めた
北朝鮮攻撃により、「韓国人100万人の犠牲が出る」という見方が、決断を鈍らせて来たというのは否定できない。がしかし、リアルな恐怖が迫りくり、自国が危機に瀕する時、北朝鮮攻撃を米国人は受け入れつつある。攻撃賛成という回答は、アンケートの度に上がっている。

もう米国本土が核ミサイルで狙われるとい現実に対して、韓国のことなどかまっていられない。

それに、新世紀に入ってからも「アフガニスタン戦争」「イラク戦争」「リビア戦争」「IS空爆」「シリア空爆」と、米国民は良くも悪くも戦争慣れしている。日本人の戦争に対する意識とは随分と違いがある。

オバマ外交により、覇権国が覇権国らしく、秩序維持のための世界の警察をしなくなった。すると訪れたものは平和ではなく争いが広がった。それも経験している。

今後もトランプ報道は毀誉褒貶することだろう。

「トランプの決断により秩序が破壊され多大な犠牲が出てしまった」「彼はやはり秩序破壊者」「彼ほど危険な大統領はいない」、となじられることもあるであろう。その時テレビ局が用意した御用学者の意見に惑わされることなく、どこに正義があるのか、冷静に分析する目を持っとかなければ、北朝鮮に振り回される日本のようになってしまう。




北朝鮮のグアム包囲射撃示唆に対して、予告のコース上空を通過する、高知、愛媛、広島、鳥取にPAC3迎撃ミサイルを配備する映像をみながら、金正恩は笑っていることだろう。

「日本国土など随分前から一瞬にして焦土にすることができる」、という日本に対する声明はその通りであり、ウソでもハッタリでもない。彼等の出方次第で日本はいつもいつも踊らされ続けている。

何はともあれ、日本人には、緊迫感のあるお盆を過ごして欲しいものだ。



押忍