「駒ケ岳」
と言ったら、長野の山の名前だろうとくらいにしか思わないのが一般的な人なのだろうが、
ウイスキー通の人にとっては、高額な国産ウイスキー「駒ケ岳」を連想することだろう
最近はウイスキーの話題が多いがまっいいだろう、今回も続ける
鹿児島に本坊酒造という、焼酎の酒蔵がある
「いつかはウイスキーに挑戦したい」という、経営者の思いが実現し、1949年、昭和24年に鹿児島で蒸溜を始めた。と、いうのだからそれから69年経過しているので歴史は古く、ニッカ、サントリーと同様、日本のウイスキー蒸溜の老舗といえる。その後、本格的なウイスキー造りの理想の地を求めて、良い水と環境のある山梨に1960年、昭和35年に山梨に蒸留所を設け、続いて、1985年に長野駒ケ岳山麓に「マルス信州蒸留所」を建設するにいたった
1980年代は地ウイスキーブームで全国あちこちに地ウイスキーが誕生した時代だが、本坊酒造だけは歴史が古い
今は地ウイスキーとして、「倉吉」「あかし」などがあるが、どれもまだ若い感じがしてとても買う気にはなれないものの、「駒ケ岳」は1949年からの歴史があり、一日の長がある
ウイスキーの製造には、歴史が必要だ、その時間をかけた蒸溜造りのなかで美味いウイスキーは生まれる
ただし「秩父酒造」の「イチローズモルト」だけは違う、ここは頭一つひいでている
マルス信州蒸留所では、他にも「越百」(コスモ)、「TWIN ALPS」「岩井」などがあるが、「駒ケ岳」が最高峰であり、サントリーでいえば「山崎」になる
ジャパニーズ・ウイスキーブームは地ウイスキーにも飛び火して高値で取引されている
特に本坊酒造のウイスキーは2013年に世界的なウイスキー品評会で最高金賞を受賞したので人気に火がついた
「駒ケ岳」は9000円、「越百」は5000円の価格がついている、1500円~2000円くらいのメジャーウイスキーの価格帯と比較したらとんでもなく高い
しかも、10年とか12年の年代表示がないウイスキーでこの価格だから、年代題表示のない「山崎」「竹鶴」より高値ということになる、ちなみに両者は5000円ほどだ
「駒ケ岳」10年にいたっては、今や幻のウイスキーとなり市場には全く出回ってなく、ネットオークションで20000円で取引されている
「駒ケ岳」は、行きつけのバーのマスター曰く、「山崎より味は上」と言うし、
行きつけの酒屋の店主は、「山崎は所詮大量生産、駒ケ岳は少量生産で丁寧に造りだしている、越百で十分美味しいですからそれ以上です」と、その実力を認めている
この二人の舌は、信頼置けるので間違いない
年代表示のない「駒ケ岳」は三年モノをベースにしながら20年モノを加えているのが特徴
よって、単なる年代表示のないウイスキーとは成り立ちは別格かもしれない
本当はマルスウイスキーのシングルモルト「駒ケ岳」10年が飲みたいものだが「駒ケ岳」で我慢しよう
説明がいささか長くなったが、行きつけの酒屋で「駒ケ岳」を買って来た
家に帰って飲んだが、「さすがだ!」
ジャパニーズウイスキーの実力、恐るべし
本場スコッチの大手メーカーが、本職は焼酎造りの酒蔵の造り出す地ウイスキーにかるく味で負けている
日本の技術力は、あらゆる面で世界のトップにある