遂に、零戦の油絵が届いた。
事務所オープン二際し知人に依頼していたのだが、素晴らしい出来栄えだ。
この絵を見たのは、もう10年以上前、知覧特攻記念館でだ。
低空飛行で敵艦に体当たりをする零戦を見て、心を奪われた。
時は流れて、念願のその絵を描いてもらうこととなったのだ。
何故超低空飛行で飛んでいるかというと、艦船より低かったら大砲は打てないので命中リスクが減るからだ。
波に反応して対空砲火の自動破裂を抑止することができるからだ。
あと、海上すれすれ飛んでこられたら単純に砲弾が命中しにくいからだ。
そこを計算に入れて操縦するベテランパイロット。
「永遠のゼロ」の主人公も丁度こんな低空飛行で敵艦に向かったシーンを覚えていることだろう。まさしくあのシーンだ。
では絵の構図を解説しよう。
敵艦が三隻炎上している。一隻は空母、後の二隻は護衛艦だ。煙がキャンパス一杯にたちこめている。
砲弾が落下し波しぶきが上がっている。それが臨場感を出している。
零戦を狙った機銃掃射の弾道が何本もある。
250キロ爆弾を積んだ零戦が南海の美しい海面すれすれを一直線に飛行する。
遠くに特攻戦闘機が撃墜されて、二機落下している
美しい青い海と空と対照的な南海で、決死の覚悟を決めて
敵艦に突っ込む零戦・・・・・・
この絵が沈黙のうちに僕に成すべきことを語りかける
神と武と武士道を失ったらそれは最早日本ではない