塾長ブログ

2019/02/07

菊正宗

もう35年前のことだ

結婚式では恒例の「ケーキカット」をしなかった

そのかわりに、灘の清酒「菊正宗」の四斗樽の鏡割りをした

それが僕くこだわりだった

無論、衣装は紋付き袴だ

四斗とは、一升瓶40本の量

結婚式場で杉の香りのする樽酒を振舞ったものの、それでも随分残り、結婚式がすんで、新居で当分、樽酒を飲んだ覚えがある


その「菊正宗」酒造にはじめて来た

有馬温泉に行くついでに、家族に頼んで寄ってもらった

その前に近所にある「白鶴」酒造名も行ったが

東灘区の一帯は灘の酒造メーカーが集中している

今は、ずっと地酒人気が続いているが、35年前はまだ灘の酒、伏見の酒の時代であった

灘の酒の代表銘柄は・・・・大関、黄桜、剣菱、白鶴、沢の鶴、日本盛、白鷹、白鹿、白雪、櫻正宗そして菊正宗・・・

京都伏見の酒の代表銘柄は・・・・黄桜、月桂冠、松竹梅

日本人なら皆、知っている銘柄だ、それだけ彼等はメジャーだった


当時は、灘の酒、伏見の酒が日本酒業界をリードしていて、地酒を飲むことはなかった

今から考えてみたら不思議だが、それだけ彼等の販売戦略がたけていたのだろう

まさしく灘の酒、伏見の酒は「ブランド」であった

どのメーカーも全国ネットでTV・CMをうっていたが、今はもうほとんどみなくなった

時代は変転流転するものだ

そして、「菊正宗」は辛口を「売り」にしていた

辛口が好きな僕は、「菊正宗」が大好きでをよく飲んだものだ

「菊正宗」の偉いところは

伝統技能である杉樽職人を養成しているところ

さすが、350年の歴史をもつ「菊正宗」だ

「菊正宗記念館」では、「杉樽」をつくるところを見学できるのだが、その技術は圧巻だ

「箍(たが)が外れる」という諺があるが、樽を支えているのが箍だ

それが外れるとバラバラになるところから、この格言ができている

吉野の杉にこだわり、竹で箍をあみ、釘一本使わずに、絶対に漏れない樽をつくる

そして、その樽で寝かした酒を「樽酒」の名前で販売している

特に驚いたのは、香りをつけるために杉樽でつけて、そのあとは杉の香りがつかないので、もう使わずに、醤油樽などに使うという

手間暇かけて手作りををする杉樽の日本酒の漬け込みは、なんと、一回こっきりなのだ

それなのに、四合瓶で950円ほどで安い

試飲すると、昔、よく飲んだ菊正宗の樽酒の味を思い出す

当然、買って帰り、別荘で久しぶりに「菊正宗」の樽酒を堪能した

菊正宗

アッパレ!!


このごろは地酒一辺倒の自分だったが、

これを機会に今後はもっと「灘の酒」を飲むことにしよう