夏に行く予定だったが、礼文島、利尻島に行ってきた
それはそれは遠い日本最北端の離島である
新千歳空港から稚内まで車で6時間
稚内港から約2時間半
そのような北海の孤島として二つの島は存在する
岡山からだと、それはそれは遠い所にある・・・・・
新刊本の校正が終わることを頃を見越して、その時を逃さず行ってきた
さてどうだったかというと
礼文島と利尻島は目と鼻の先にあるものの、風情はまるっきり異なる
礼文島はシベリアから吹きすさぶ強風のために樹木は育つことなく、阿蘇山のような草たけ生い茂る風景が山に広がっていて一風変わった山並みとなっている
阿蘇山の草千里、秋吉台のような風景でもある
一方、利尻島は海底火山が噴火した島で、1800メートルを超す利尻富士と言われる、広大な裾野の広がる単独山が島そのものとなっている
高山があることによって森林が形成され今は紅葉が綺麗か風景が広がっているので、礼文島とはまったく風景を異にする
礼文島からは利尻富士か常に臨め、その風景が礼文島の魅力となっているし、利尻島に行けば行ったで島内観光そのものに利尻富士の風景がセットになる地を巡ることとなるため、利尻富士なくしてこの二島は語れない
逆にいえば、もし利尻富士が無ければ両島の魅力は半減することになる
それにしても日本列島は長い
石垣や与那国、世論などの南海の孤島の文化を知っているだけに、言葉も、食べものも、文化も、気候も、酒も、まったく異なる
人々は気候に大きく左右され、その地独自の文化をつくり、気候に応じた生活を強いられる
北の島も、南の島も、漁をすることが生活の基盤になってるのは共通しているが、捕れる魚の種類はまるっきり違う
石垣でコンブ漁など出来ようはずもないし、ニシンもタラもホッケも収穫できない
どこがいいと言うのではなく、それぞれに良さがあり風情がある
日本中の風景を見て来た者とし、礼文島の映画「カナリアの唄」を撮影した小学校から雄大な利尻富士を臨む風景はゆすれることのない、指折りのワンショットであったと言える
もう二度と来ることはないだろうが、北の最果てを「見る」ことは人生に厚みを与えたのではないか
瀬戸内海の小島に住んでいる住民もそうだが、島の人は島を愛し決して内地に住もうとはしない
人生の幸せとは何かを考えさせる取材であった