塾長ブログ

2015/11/04

田舎の祭

11月3日、文化の日は、僕の田舎の村祭りだ。久しぶりに田舎に帰った。
県内では結構有名で、昔はテレビ局が取材に来て報道していたし、アマチュアカメラマンが大挙して来ていたものだ。

時は流れ、過疎の村となり、規模は縮小の一途をたどっているものの、その中に流れている精神は伝統をおもんじこの文化を未来に継承していこう、残そうという意欲は何ら変わることはない。

コンコンチキチコンチキチーと祭囃子の鐘の音が、山村にこだまする。

踊り子は、小学生の男の子と決まっていたが、今は全学年で6~7人しかいない。しかも、数年前廃高になって遠くまでバスで通っている始末である。

よって、踊り子不足で今は女の子も踊っているし、中学生、高校生まで踊らねば人が足りない状態である。身体の大きい、決して可愛くはない大人っぽい子供も、まー嫌がらずに踊っている。

「拍子木を打つリーダー」と「天狗」と「獅子舞」と「鐘叩き」が一つの組となり、村の家々の前で踊る。
踊ってもらった家からは、肴と酒を振る舞う。
一踊りした後は、皆で酒を呑む。その繰り返しなので、相当呑むことになるが、それも楽しみだ。

何の娯楽もない村だ。

備中神楽と盆踊りと秋祭りと正月ぐらいが娯楽なので、その時は酒を呑み楽しむ。

今は四組になったその集団は、村で一番高い位置にある八幡神社に集結して、境内の中で踊りを奉納するのがクライマックスだ。その時間帯は14時頃。

此の祭りは、五穀豊穣の願いと秋の収穫の感謝を神に捧げる神事であるのだ。

コンコンチキチミンチキチーの鐘の音の大合唱のなか、獅子舞が観客の子供の頭を噛んでまわる。子供は恐怖と戦慄出泣き叫ぶ

僕も小さいときは噛んでもらったものだ。獅子舞に噛んでもらったら、病気を遠ざけ、頭がよくなると言われているので、両親は噛んでもらいたいが、子供はその獅子舞の顔が怖くて嬉しくはない。毎年見る光景が繰り広げられる

昔は屋台が境内一面更には境内に続く階段にまであったが、今は4つしかない。寂しいものだ。ど田舎特有のショウガの菓子とイカ焼きとクレープとジュースの屋台だけだった。

人が少なく採算が合わないので年々屋台の数は減少していく

祭が終われば、家では蛸の土手鍋を食べるのが我が家の風習だ。

岡山から銘酒をかついで上がって来たので、蛸とこの土地でとれたこんにゃくを焚いたものをあてに一杯呑む。

さっきから呑んでばかりだなー

そうそう、思い出した。昔は瀬戸口と三宅と二つ食堂があったが、今はない。
夏休みにはずっと、田舎で過ごしていたが、食堂で「焼きそば」を注文して愕然としたことがあった。



「日清焼そば」が出たのだ。




いや、明星鉄板焼きそばたったかもしれないが、今や検証するすべはない。

子供心にも「これは何かの間違いではないのだろうか」と疑問を呈しながら食したものだ。

それくらい田舎なのだ。

しかし、言い事はあるぞ。

山に入って「木」を蹴ったら、最低でも五匹から十匹のクワガタ虫が落ちて来ていたし、蚊帳を吊った家に、夜は飛んで来ていた。今の子供たちは信じれないことだろう。

当時は網戸もなかったが、今もこの家には網戸がない。

もう永遠にないだろう。