この天井から突き出た鋳物は何か分かる人はいないだろう。
絶対に当たらない自信がある。
これは炬燵なのだ。
そう堀炬燵。
昔は電気炬燵などなかったので、堀の鋳物の中に炭を入れて談をとったものだ。
その痕跡が今もこのように残っているというわけだ。
子供のころは、よく炬燵でそのまんま寝て、靴下を焦がしたものである。
更に、今どきの子供は、これが理解できないことだろう。
ハエ取り紙だ。
今も農協で売っている。
こりハエ取り紙には秘密と苦難の歴史がある。
昔はハエが多かった。今は衛生的になっていたので減ったが、本当にハエだらけだった。
だからハエ取り紙は大活躍でハエがまぶれついていたものだ
しかし一つ問題があった。
ハエも捕れるが、実は子供も捕れるのである。
遊びに夢中になっている子供には、ハエ取り紙が目に入らなくなってしまうのだ。
こりにひっかかったら、最悪なのだ。
頭は粘着テープにまみれたハエがべっとりとつき、もう、どうすることもできない状態に陥ってしまう。
そう、最後の手段として、髪を切るしかないのだ。
かくて、散切り頭になってしまうのだ。
よく、酷い目にあったものだ。