三回連続、北海道だ。
今回は小樽編。
小樽は全盛期20万人の人口であったが、今は12万人、観光は盛んだが、産業は衰退の一途をたどっている。
小樽と言えば、海運業の街で栄えた。空港がなかった時代なのだから、内陸部の県庁所在地の札幌の玄関口であったわけだ。
それと、ニシン漁が盛んだった。
聞けば、バケツに獲れ放題であったという。ニシン御殿が高台に軒を連ねていたという。
今や、ニシンは獲れない。
石造りの銀行街が今も残り、当時の繁栄を物語っている、風情のある街だ。
今回、小樽に来るのは4回目だ。
もう見る所はないと思っていたが、そうでもなかった。
大寒波で雪の降りしきる中、「小樽ビール」の醸造所を見学しビールを学んだ。ここの売りは、ドイツ人が醸造する本場のビールだ。
ここは一見の価値があった。
生ビールの定義を、日本人は取り違えているという事が理解できた。生ビールとは熱処理していない状態のものを指し、ラガーとは熱処理した物という定義を今日まで思い込んでいたが、まったく違った。ビール会社の巧みな宣伝により、真実が捻じ曲げられているのである。
正しくは、生ビールとは酵母を取り去ってないものを指す。従って瓶であれば、酵母のカスが沈殿し、浮遊する。つまり濁っていなければ生ではない。
日本人はこんな品質のものを嫌う。従って全て濾過した後のビールである。つまり、生ではない。生ビールとして売っているモノは全て、厳密にいえば食品偽装にあたる。生きた酵母が混入しているから「生」ビールなのだ。
いやー勉強になったなー。
日本人のビール感はというのは、冷やせば冷やすほど美味く、のど越しを味わうわけだが、ドイツでは8度~14度と、日本よりかなりぬくい。冬場は温めて呑むほどだ。ワインのように口に含んで味わって呑むものだそうだ。
ドイツ民族衣装を着たガイドの女性の解説を散々聞いた後、ビヤホールで呑むドイツビールは何より美味かった。陶器の入れ物に入れられた8.5度の生ビールは、ビール党ではない僕にも確かに美味を感じ取った。
それと、倉庫を改装したこの醸造所兼パブは、何よりインテリアに興味がある僕の目を楽しませてくれた。ドイツ人のこだわりが随所にあった。
窓の向こうには、長い長い「つらら」を通して、運河と降りしきる雪が見え、一層ドイツビールを美味くする天然の演出もあった。
北海道は夏ではなく冬に来れば、本当の北海道が分かる。
しかし、醸造所を一歩出たら最後、変な色のセンスの悪い服を着た、中国人の中国語が小樽の街にこだましていた。
ここ小樽もまた、完全に中華民族に占領されていた。
しかして、中国嫌いの桜が、札幌駅で中国人を助けたことを知るまい。
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