「♬ㅤ♪ㅤロンロンㅤリランㅤシュビディダンㅤㅤオデエエーーエーオーㅤㅤ♬・・・・・・
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20歳頃の時に、清水の舞台から落ちる覚悟で、ヘネシーをキープしたことがあった
今はそこまで美味いとは思えないが、当時は群を抜いて美味いブランデーであったなー
そして、飲み干した、その空き瓶が使いでがあった
そうなのだ。ヘネシーボトルの空き瓶に
サントリーオールドを注ぎ、疑似ヘネシーに仕立て上げるのである
そして、友人を呼ぶのだ、そのスナックに・・・・・・
「今日は、わいのおごり、キープしたばかりのあのヘネシーを呑ましたる」
誘い文句はこうだ・・・・
昼間は、その夜、快楽に誘う、永遠の憧れの「ヘネシー」の幻影に付きまとわれ、仕事も手につかずに、目をキラキラとと輝かせながら来るのだ
飛んで火にいる夏の虫だ・・・・・
そして「いいかヘネシー様には、いつもの角氷は似合うわないし、何よりコニャックに失礼であろう、よってマスターに無理を承知で頼んでカチ割り氷も用意した」こう切り出す。当時はカチ割り氷の店はなかったのだ
「いきなり水割りは、ヘネシー様に失礼だ、まっロックから行こうか」
と言って、ヘネシーのボトルに入ったサントリーオールドをドクドクドクと注ぐ
演出を凝らしているので、「が●んじ●」の状態を人工的に作り出すことに成功し、もう悦にひたっている。
この男は昼間から妄想に駆られ続けた、ヘネシーが現実に目の前に注がれ、至福の瞬間を迎えているのだ、そして遂にグラスを手にする。
よもや、中身がサントリーオールドなどと疑うことは絶対にない・・・・完全に洗脳に成功している状態だ
そして「呑む」ヘネシーと思いながら、本当はいつも呑んでいる「オールド」のテイストを味わうために、舌を転がし、そして彼は一言いうのであった
「笠やん、やっぱりヘネシー様はオールドとは違うなー」「気品があるはー」「全然ちゃうはー」「あー生きててよかったー」
ギッヤハハ
爆笑!
アホまるだし
「ええかっ、サントリーオールドはウイスキー、ヘネシーはブランデー、ウイスキーは麦で醸造するし、ブランは葡萄が原料だ、全然違うものじゃー、しかも色も違うじゃねえか」
「そんなことも分からんのんかー」などとは、絶対に思っても言わない
人の夢を破壊してはならない、それが「愛」というものだ
このよに、全く違うテイストなのだが
20歳そこそこの貧乏人の青年には全く分からない
「ラブ・イズ・ブラインド」と言うが、ヘネシーのボトルの威厳と威風堂々たる、霊験あらたかなそのボトルの形状に、貧乏人はひれ伏すのだ
ヘネシーのボトルは、全ての判断を狂わせ、盲目にするのである
しかもだ、いつもいつも、いつもいつも、いつもいつも、サントリーオールドを呑み続けているのにだ・・・・
友人と二人で、その夜ボトルを全部開けて、彼を天国へと誘ったのだー
あー親切じゃのーわしはー
いやーよく、友達を幸福にしてやったものだ
はいっ
♬ㅤ♪ㅤロンロンㅤリランㅤシュビディダンㅤㅤオデエエーーエーオーㅤㅤ♬・・・・・・
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